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Date:      Sat, 21 Jul 2012 03:15:41 +0000 (UTC)
From:      Ryusuke SUZUKI <ryusuke@FreeBSD.org>
To:        doc-committers@freebsd.org, svn-doc-all@freebsd.org, svn-doc-head@freebsd.org
Subject:   svn commit: r39239 - head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms
Message-ID:  <201207210315.q6L3Ff6p075197@svn.freebsd.org>

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Author: ryusuke
Date: Sat Jul 21 03:15:40 2012
New Revision: 39239
URL: http://svn.freebsd.org/changeset/doc/39239

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  - Merge the following from the English version:
  
    	r10204 -> r10210	head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms/chapter.sgml
  
  Submitted by:	Hiroo Ono <hiroo _at_ jp dot FreeBSD dot jp>
  Reference: 	[doc-jp-work 1862]

Modified:
  head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms/chapter.sgml

Modified: head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms/chapter.sgml
==============================================================================
--- head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms/chapter.sgml	Fri Jul 20 19:32:18 2012	(r39238)
+++ head/ja_JP.eucJP/books/handbook/serialcomms/chapter.sgml	Sat Jul 21 03:15:40 2012	(r39239)
@@ -2,7 +2,7 @@
      The FreeBSD Documentation Project
      The FreeBSD Japanese Documentation Project
 
-     Original revision: r10204
+     Original revision: r10210
      $FreeBSD$
 -->
 
@@ -40,216 +40,74 @@
 	(モデムまたはマルチポートカード)
 	のテクニカルマニュアルを読めるようにする。</para></listitem>
     </itemizedlist>
-
   </sect1>
 
   <sect1 id="serial">
-    <title>シリアル接続の基礎</title>
-
-    <para>このセクションには、
-      シリアルポートについての一般的な情報が書かれていま す。
-      あなたが求めている情報が、もしここで見つからなかった場合には、
-      ハン ドブックの端末とダイアルアップのセクションを見てください。
-    </para>
-
-    <indexterm><primary>ttyd</primary></indexterm>
-    <indexterm><primary>cuaa</primary></indexterm>
-    <para><filename>ttyd<replaceable>X</replaceable></filename>
-      (または <filename>cuaa<replaceable>X</replaceable></filename>)
-      デバイスは、アプリケーション上
-      でシリアルポートをオープンする時に使用する、
-      標準的なデバイスです。プロセスがデバイスをオープンする際、端末
-      I/O 設定の デフォルトセットが使用されます。これらの設定内容は、
-      次のコマンドで確認することができます。</para>
-
-    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -a -f /dev/ttyd1</userinput></screen>
-
-    <para>このデバイスの設定を変更した場合、その設定はデバイスが
-      クローズされるまで有効です。デバイスが再びオープンされる時、
-      デフォルトの設定値に戻ります。
-      デフォルトの設定を変更するためには、
-      <quote>初期状態</quote> を設定した
-      いデバイスをオープンして調節することができます。例えば、ttyd5
-      というデバイスに対して、デフォルトで <acronym>CLOCAL</acronym>
-      モードを ON にして、8 bits の設定をおこない、
-      <emphasis>XON/XOFF</emphasis>
-      フロー制御を行うように設定したい場合は、次のようにします。
-    </para>
-
-    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -f /dev/ttyid5 clocal cs8 ixon ixoff</userinput></screen>
-
-    <indexterm>
-      <primary>rc ファイル</primary>
-      <secondary><filename>rc.serial</filename></secondary>
-    </indexterm>
-    <para>このコマンドを記述するのに適しているファイルは、
-      <filename>/etc/rc.serial</filename>   です。
-      アプリケーションが<filename>ttyd5</filename>
-      をオープンするときに、
-      デフォルトでこの設定をおこなうようになります。これらの設定は、
-      好きなように変更することができます。</para>
-
-    <para>また、<quote>固定状態</quote> のデバイスに調節を行うことで、
-      ある一定の設定が
-      アプリケーションに変更されることを防ぐこともできます。例えば、
-      <filename>ttyd5</filename> のスピードを 57600 bps
-      に固定したい場合には、次のようにします。</para>
-
-    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -f /dev/ttyld5 57600</userinput></screen>
-
-	<para>これで、<filename>ttyd5</filename> をオープンして、
-      シリアルポートの転送スピードを
-      変更しようとするアプリケーションは 57600 bps
-      に固定されるでしょう。</para>
-
-    <indexterm>
-      <primary><command>MAKEDEV</command></primary>
-    </indexterm>
-    <para>本来、デバイスの初期状態を変更したり設定を固定するのは、
-      <username>root</username> だけが行うべきです。
-      <filename>MAKEDEV</filename>
-      スクリプトがデバイスエントリを作成する時は、
-      これをおこない<emphasis>ません</emphasis>。</para>
-  </sect1>
-
-  <sect1 id="term">
-    <title>シリアル端末</title>
-
-    <indexterm><primary>端末</primary></indexterm>
-    <para><emphasis>原作:  Sean Kelly <email>kelly@ad1440.net</email><!-- <br> -->
-	28 July 1996</emphasis></para>
-
-    <para><emphasis>訳: &a.max;</emphasis></para>
-
-    <para>シリアル端末を利用することで、
-      コンピュータのコンソールのそばにいないと きや、
-      手近にネットワーク接続されているコンピュータがないときでも、
-      FreeBSD の機能を便利に、かつ安価に利用することができます。
-      ここでは、FreeBSD
-      にシリアル端末を接続する方法を解説します。</para>
-
-    <sect2 id="term-uses">
-      <title>端末の種類と利用方法</title>
-
-      <para>もともと Unix システムにはコンソールがありませんでした。
-	ユー ザはコンピュータのシリアル
-	ポートに接続された端末からログインして
-	プログラムを利用していました。
-	ちょうどモデムと通信ソフトを使ってリモート
-	のコンピュータにログインし、テキスト
-	ベースのプログラムを利用するのと よく似ています。</para>
-
-      <para>最近の PC は、
-	高品質の画像を表示できるコンソールを搭載していま すが、
-	ほとんどすべての Unix 系 OS には未だにシリアル
-	ポートを使ってログ インするための機能があり、FreeBSD
-	でもこの機能がサポートされています。
-	現在使用されていないシリアル
-	ポートに端末を接続することでシステムに ログインし、
-	通常はコンソールや Xウィンドウ システムの
-	<command>xterm</command> のウィ ンドウ上で起動しているテキスト
-	ベースのプログラムであれば何
-	でも利用することができます。</para>
+    <title>はじめに</title>
 
-      <para>職場での利用ということで考えるならば、FreeBSD
-	が動作しているコンピュー タに接続された何台ものシリアル端末を
-	各社員の机に配置するというようなこ とが可能です。また、
-	家庭での利用方法としては、余っている古い IBM PC や  Macintosh
-	を FreeBSD が動いているパワフルなコンピュータの端末として利
-	用することができます。普通ならシングルユーザのコンピュータを、
-	パワフ
-	ルなマルチユーザのシステムに変えることができるのです。</para>
-
-      <para>FreeBSD では、以下に挙げる3種類の端末が利用できます。</para>
+    <sect2 id="serial-terminology">
+      <title>用語解説</title>
 
-      <itemizedlist>
-	<listitem>
-	  <para><link linkend="term-dumb">ダム (dumb) 端末</link></para>
-	</listitem>
-
-	<listitem>
-	  <para><link linkend="term-pcs">PCを利用した端末</link></para>
-	</listitem>
-
-	<listitem>
-	  <para><link linkend="term-x">X 端末</link></para>
-	</listitem>
-      </itemizedlist>
-
-      <para>以下は、それぞれについての解説です。</para>
-
-      <sect3 id="term-dumb">
-	<title>ダム端末</title>
-
-	<para>ダム端末は、シリアルライン経由でのコンピュータとの接続専
-	  用のハードウェアです。ダム端末は、
-	  テキストの送受信および表示ができる
-	  程度の計算能力しかもっていないので、<quote>dumb</quote>
-	  (間抜け) というように呼ば れています。
-	  この端末上でプログラムを実行することはできません。テキスト
-	  エディタ、コンパイラ、E-mail、
-	  ゲームなどなどのプログラムを実行するのは、
-	  ダム端末を接続しているコンピュータの方です。</para>
-
-	<para>Digital Equipment社の VT-100 や、Wyse社の WY-75
-	  を初めとして、多くのメーカが何百種類もの
-	  ダム端末を作っています。ほとんどどんな種 類のダム端末でも
-	  FreeBSD に接続して使用できます。さらに、高性能の端
-	  末の中には画像を取り扱えるものもありますが、
-	  限られた数のソフトウェア
-	  パッケージしかこういった機能には対応していません。</para>
-
-	<para>ダム端末は、X ウィンドウ システムで提供されるようなグラ
-	  フィックアプリケーションを必要としない
-	  職場で広く用いられています。</para>
-      </sect3>
-
-      <sect3 id="term-pcs">
-	<title>PC を端末として利用する</title>
-
-	<para><link linkend="term-dumb">ダム端末</link>
-	  がテキストの表示およ
-	  び送受信の機能をそなえただけのものならば、言うまでもなく、
-	  どんなPC もダム端末になり得ます。
-	  必要なものは適切なケーブルと、そのPCの上
-	  で動作する<emphasis>端末エミュレーション</emphasis>
-	  を行うソフトウェアのみです。</para>
+      <variablelist>
+	<indexterm><primary>bits-per-second</primary></indexterm>
+	<varlistentry>
+	  <term>bps</term>
+	  <listitem>
+	    <para>Bits per Second の略で、
+	      データの転送速度を表す単位。</para>
+	  </listitem>
+	</varlistentry>
 
-	<para>このような環境は、家庭においてよく利用されます。
-	  たとえば、あなたの同居 人が FreeBSD
-	  のコンソールを専有している時などに、あまりパワーのないコ
-	  ンピュータを FreeBSD システムにシリアル端末として接続し、
-	  その端末上で
-	  テキストだけを用いる作業をおこなうことができます。</para>
-      </sect3>
+	<varlistentry>
+	  <term>DTE</term>
+	  <indexterm><primary>DTE</primary></indexterm>
+	  <listitem>
+	    <para>Data Terminal Equipment の略。
+	      たとえばコンピュータ本体のこと</para>
+	  </listitem>
+	</varlistentry>
 
-      <sect3 id="term-x">
-	<title>X 端末</title>
+	<varlistentry>
+	  <term>DCE</term>
+	  <indexterm><primary>DCE</primary></indexterm>
+	  <listitem>
+	    <para>Data Communications Equipment
+	      の略で、具体的にはモデムのこと。</para>
+	  </listitem>
+	</varlistentry>
 
-	<para>X 端末は、既存のものの中で最も洗練された種類の端末といえ
-	  ます。X 端末は、たいていの場合シリアル ポートではなく、
-	  イーサネッ
-	  トのようなネットワークを利用した接続をおこないます。また、
-	  アプリケーション の利用においても、
-	  テキストベースのものだけでなく、X アプリケーション
-	  の利用が可能です。</para>
+	<varlistentry>
+	  <term>RS-232</term>
+	  <indexterm><primary>RS-232C ケーブル</primary></indexterm>
+	  <listitem>
+	    <para>EIA (米電気産業協会)
+	      のハードウェアシリアル通信の標準規格</para>
+	  </listitem>
+	</varlistentry>
+      </variablelist>
 
-	<para>ここでは、参考までに  端末について紹介しただけで、X 端
-	  末の設定や利用についての解説は
-	  <emphasis>おこないません</emphasis>。</para>
-      </sect3>
+      <!-- XXX Use a formal citation and bibliography entry -->
+      <para>これらの用語やデータ通信一般に関して、
+	より詳しい情報が必要な場合は、<emphasis>The RS-232
+	Bible</emphasis> という本が参考になるでしょう。</para>
+
+      <para>通信におけるデータ転送速度に関して、
+	著者は<quote>ボー</quote> (baud) という用語は使いません。
+	ボーというのは一定時間に生じうる電気的状態の変化の数を表すにすぎず、
+	<quote>bps</quote> (bits per second)
+	という単位の方が<quote>正しい</quote>からです
+	(少なくとも、こういう表現をしておけば、
+	意地の悪い人に怒られることもないのではないかと思います)。</para>
     </sect2>
 
-    <sect2 id="term-cables-ports">
+    <sect2 id="serial-cables-ports">
       <title>ケーブルとポート</title>
 
-      <para>シリアル端末を FreeBSD システムに接続するためには、
-	適切なケー ブルと、
-	端末を接続するためのシリアルポートが必要です。ここでは、これ
-	らについて説明します。もし既にあなたの利用したい端末と、
-	その端末 を接続するためのケーブルについてよく理解していれば、
-	<link linkend="term-config">設定</link>
-	の章まで読み飛ばしてください。</para>
+      <para>モデムまたはシリアル端末を FreeBSD システムに接続するためには、
+	コンピュータ上のシリアルポートと、
+	シリアルデバイスに接続する適切なケーブルが必要です。
+	ハードウェアとそれが必要とするケーブルについてよく理解しているなら、
+	この節は飛ばしても問題ありません。</para>
 
       <sect3 id="term-cables">
 	<title>ケーブル</title>
@@ -481,16 +339,354 @@
 	    ならば <filename>/dev/ttyd1</filename> となり、
 	    以下この形式のデバイスエントリを使います。</para>
 
-	      <para>各シリアルポート、
+	  <para>各シリアルポート、
 	    特にマルチポートのシリアルカードを利用する ために、kernel
 	    の設定をおこなう必要がある場合がありますので、注意してくだ
 	    さい。詳しくは、<link linkend="kernelconfig">FreeBSD
-	      カーネルのコンフィグレーション</link>
+	    カーネルのコンフィグレーション</link>
 	    をご覧ください。</para>
 	</sect4>
       </sect3>
     </sect2>
 
+    <sect2>
+      <title>カーネルの設定</title>
+
+      <para>デフォルトでは、FreeBSD は
+	4 つのシリアルポートに対応しています。MS-DOS の世界では、
+	<devicename>COM1:</devicename>,
+	<devicename>COM2:</devicename>,
+	<devicename>COM3:</devicename> および
+	<devicename>COM4:</devicename> と呼ばれています。
+	FreeBSD では、現在のところ BocaBoard の 1008 や 2016 などの、
+	<quote>単純な</quote>マルチポートシリアルインタフェース
+	(これらのカード関して、詳しいことは &man.sio.4;
+	のマニュアルページをご覧ください) や、
+	Digiboard や Stallion Technologies
+	が製造しているよりインテリジェントなマルチポートカードにも対応しています。
+	デフォルトのカーネルは、標準の COM ポートしか見ません。</para>
+
+      <para>搭載されているシリアルポートのいずれかを、
+	カーネルが認識しているかどうか確認したい場合は、
+	カーネルの起動時のメッセージを注意深く見るか、あるいは
+	<command>/sbin/dmesg</command> コマンドを使って、
+	起動時の出力メッセージを確認してください。特に、
+	<literal>sio</literal> で始まるメッセージをよく見てください。
+	参考までに、以下のコマンドで <literal>sio</literal>
+	という文字列を含むメッセージだけを表示できます。</para>
+
+      <screen>&prompt.root; <userinput>/sbin/dmesg | grep 'sio'</userinput></screen>
+
+      <para>たとえば、シリアルポートを四つ持つシステムの場合は、
+	以下のようなシリアルポートに関するメッセージがカーネルによって表示されます。</para>
+
+      <screen>sio0 at 0x3f8-0x3ff irq 4 on isa
+sio0: type 16550A
+sio1 at 0x2f8-0x2ff irq 3 on isa
+sio1: type 16550A
+sio2 at 0x3e8-0x3ef irq 5 on isa
+sio2: type 16550A
+sio3 at 0x2e8-0x2ef irq 9 on isa
+sio3: type 16550A</screen>
+
+      <para>もし、カーネルに正常に認識されないポートがある場合は、
+	おそらくカスタマイズした FreeBSD カーネルを構築する必要があるでしょう。
+	これについて詳しくは <xref linkend="kernelconfig">
+	をご覧ください。</para>
+
+      <para>カーネルコンフィグレーションの該当するデバイス行は、
+	次のようになります。</para>
+
+      <programlisting>device		sio0	at isa? port "IO_COM1" tty irq 4 vector siointr
+device		sio1	at isa? port "IO_COM2" tty irq 3 vector siointr
+device		sio2	at isa? port "IO_COM3" tty irq 5 vector siointr
+device		sio3	at isa? port "IO_COM4" tty irq 9 vector siointr</programlisting>
+
+      <para>システムに搭載されていないデバイスに関する記述は、
+	コメントアウトまたは削除してしまってかまいません。
+	&man.sio.4; のマニュアルを見て、
+	マルチポートのボードのためのコンフィグレーションファイルの記述の仕方を確認してください。
+	デバイスのフラグの指定方法がバージョンによって異なりますので、
+	別のバージョンの FreeBSD
+	で利用していたコンフィグレーションファイルを流用する場合には十分注意してください。</para>
+
+      <note>
+	<para>なお、<literal>port "IO_COM1"</literal>,
+	  <literal>IO_COM2</literal>, <literal>IO_COM3</literal>
+	  および <literal>IO_COM4</literal> は、
+	  それぞれのポートの一般的なアドレスである
+	  <literal>0x3f8</literal>, <literal>0x2f8</literal>,
+	  <literal>0x3e8</literal> および <literal>0x2e8</literal>
+	  を表します。また、割り込み番号 4, 3, 5 と 9 は、それぞれ
+	  <devicename>COM1:</devicename> から
+	  <devicename>COM4:</devicename> のポートで一般的に使用される
+	  IRQ です。また、ISA バスのコンピュータの場合、
+	  一般的なシリアルポートは複数のポートで一つの IRQ
+	  を共有することが
+	  <emphasis>できません</emphasis>ので注意が必要です
+	  (マルチポートのシリアルボードの場合は、複数の 16550A
+	  ベースのポートで一つまたは二つの IRQ
+	  を共有するための機構を備えています)。</para>
+      </note>
+
+    </sect2>
+
+    <sect2>
+      <title>デバイススペシャルファイル</title>
+
+      <para>カーネルに組み込まれているほとんどのデバイスは、
+	<filename>/dev</filename> ディレクトリにある、
+	<quote>デバイススペシャルファイル</quote>を介してアクセスされます。
+	<devicename>sio</devicename> デバイスの場合は、着信用の
+	<filename>/dev/ttyd<replaceable>?</replaceable></filename>
+	および、発信用の
+	<filename>/dev/cuaa<replaceable>?</replaceable></filename>
+	が利用されます。さらに、FreeBSD では、
+	初期化デバイス
+	(<filename>/dev/ttyid<replaceable>?</replaceable></filename> と
+	<filename>/dev/cuai0<replaceable>?</replaceable></filename>)
+	およびロッキングデバイス
+	(<filename>/dev/ttyld<replaceable>?</replaceable></filename> と
+	<filename>/dev/cual0<replaceable>?</replaceable></filename>)
+	も合わせて利用されます。初期化デバイスは、
+	通信ポートがオープンされる度に、
+	そのポートの初期設定を行うために使われます。たとえば、
+	<literal>CTS/RTS</literal>
+	によるフロー制御を行うモデムが接続されている場合の
+	<literal>crtscts</literal>
+	などのパラメータの初期化が行われます。
+	ロッキングデバイスは、ポートの設定をロックし、
+	他のユーザやプログラムにこれらを変更されることのないようにするために利用されます。
+	通信ポートの設定、ロックとデバイスの初期化および設定の変更に関しては、
+	それぞれ &man.termios.4;, &man.sio.4; と &man.stty.1;
+	のマニュアルをご覧ください。</para>
+
+      <sect3>
+	<title>デバイススペシャルファイルの作成</title>
+
+	<para>デバイススペシャルファイルの管理は、ディレクトリ
+	  <filename>/dev</filename> にあるシェルスクリプト
+	  <command>MAKEDEV</command> で行います。
+	  <command>MAKEDEV</command> を使って、
+	  <devicename>COM1:</devicename> (ポート 0)
+	  をダイアルアップのポートとして利用するための
+	  デバイススペシャルファイルを作るには、
+	  <filename>/dev</filename> に <command>cd</command> してから、
+	  <command>MAKEDEV ttyd0</command> と実行してください。
+	  同様に、<command>MAKEDEV ttyd1</command> とすることで、
+	  <devicename>COM2:</devicename> (ポート 1)
+	  用のデバイススペシャルファイルを作成できます。</para>
+
+	<para><command>MAKEDEV</command> は、
+	  <devicename>/dev/ttyd<replaceable>?</replaceable></devicename>
+	  のデバイスファイルだけでなく、
+	  <devicename>/dev/cuaa<replaceable>?</replaceable></devicename>,
+	  <devicename>/dev/cuaia<replaceable>?</replaceable></devicename>,
+	  <devicename>/dev/cuala<replaceable>?</replaceable></devicename>,
+	  <devicename>/dev/ttyld<replaceable>?</replaceable></devicename>
+	  および
+	  <devicename>/dev/ttyid<replaceable>?</replaceable></devicename>
+	  ノードも作成します。</para>
+
+	<para>デバイススペシャルファイルの作成後、
+	  これらのファイルの許可属性が適切に設定されていて、
+	  これらのデバイスを利用してもよいユーザのみが読み書きできるようになっていることを確認してください
+	  (特に <filename>/dev/cua*</filename> の許可属性には注意を払ってください)。
+	  この確認を怠ると、
+	  一般のユーザがあなたのモデムを使うことができるようなことになりかねません。
+	  デフォルトの <filename>/dev/cua*</filename>
+	  の許可属性は、以下のようになっていて、
+	  たいていの場合適切なものだと思います。</para>
+
+	<screen>crw-rw----    1 uucp     dialer    28, 129 Feb 15 14:38 /dev/cuaa1
+crw-rw----    1 uucp     dialer    28, 161 Feb 15 14:38 /dev/cuaia1
+crw-rw----    1 uucp     dialer    28, 193 Feb 15 14:38 /dev/cuala1</screen>
+
+	<para>上の設定では、ユーザ <username>uucp</username>
+	  と、グループ <username>dialer</username>
+	  に属するユーザが発信用のデバイスを利用できます。</para>
+      </sect3>
+    </sect2>
+
+    <sect2 id="serial-hw-config">
+      <title>シリアルポートの設定</title>
+
+    <indexterm><primary><devicename>ttyd</devicename></primary></indexterm>
+    <indexterm><primary><devicename>cuaa</devicename></primary></indexterm>
+
+    <para><devicename>ttyd<replaceable>X</replaceable></devicename>
+      (または <devicename>cuaa<replaceable>X</replaceable></devicename>)
+      デバイスは、
+      アプリケーション上でシリアルポートをオープンする時に使用する、
+      標準的なデバイスです。プロセスがデバイスをオープンする際、端末
+      I/O 設定のデフォルトセットが適用されます。これらの設定内容は、
+      次のコマンドで確認することができます。</para>
+
+    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -a -f /dev/ttyd1</userinput></screen>
+
+    <para>このデバイスの設定を変更した場合、
+      その設定はデバイスがクローズされるまで有効です。
+      デバイスが再びオープンされる時、デフォルトの設定値に戻ります。
+      デフォルトの設定を変更するためには、<quote>初期状態</quote>
+      を設定したいデバイスをオープンして調節できます。
+      たとえば、ttyd5 というデバイスに対して、デフォルトで
+      <option>CLOCAL</option> モード, 8 bits,
+      <option>XON/XOFF</option> フロー制御を設定したい場合は、
+      次のように入力してください。</para>
+
+    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -f /dev/ttyid5 clocal cs8 ixon ixoff</userinput></screen>
+
+    <indexterm>
+      <primary>rc ファイル</primary>
+      <secondary><filename>rc.serial</filename></secondary>
+    </indexterm>
+    <para>システム全体のシリアルデバイス初期化は
+      <filename>/etc/rc.serial</filename> で制御されています。
+      このファイルは、シリアルデバイスのデフォルトの設定を決めます。</para>
+
+    <para>また、<quote>ロック状態</quote>のデバイスに調節を加えることで、
+      アプリケーションがある種の設定を変更してしまうことを防げます。
+      たとえば、<filename>ttyd5</filename> の速度を 57600 bps
+      に固定したい場合には、次のように入力してください。</para>
+
+    <screen>&prompt.root; <userinput>stty -f /dev/ttyld5 57600</userinput></screen>
+
+    <para>これで、<devicename>ttyd5</devicename> をオープンして、
+      シリアルポートの転送スピードを変更しようとするアプリケーションは
+      57600 bps で頭打ちになります。</para>
+
+    <indexterm>
+      <primary><command>MAKEDEV</command></primary>
+    </indexterm>
+    <para>本来、初期状態やロックされているデバイスに書き込めるのは
+      <username>root</username> アカウントだけにすべきです。</para>
+  </sect1>
+
+  <sect1 id="term">
+    <sect1info>
+      <authorgroup>
+        <author>
+	  <firstname>Sean</firstname>
+	  <surname>Kelly</surname>
+	  <contrib>寄稿: </contrib>
+	</author>
+	<!-- 28 July 1996 -->
+      </authorgroup>
+    </sect1info>
+    <title>シリアル端末</title>
+
+    <indexterm><primary>端末</primary></indexterm>
+
+    <para><emphasis>訳: &a.max;</emphasis></para>
+
+    <para>シリアル端末を利用することで、
+      コンピュータのコンソールのそばにいないときや、
+      手近にネットワーク接続されているコンピュータがないときでも、
+      FreeBSD の機能を便利に、かつ安価に利用することができます。
+      ここでは、FreeBSD
+      にシリアル端末を接続する方法を解説します。</para>
+
+    <sect2 id="term-uses">
+      <title>端末の種類と利用方法</title>
+
+      <para>もともと Unix システムにはコンソールがありませんでした。
+	ユーザはコンピュータのシリアルポートに接続された端末からログインしてプログラムを利用していました。
+	ちょうどモデムと通信ソフトを使ってリモートのコンピュータにログインし、
+	テキストベースのプログラムを利用するのとよく似ています。</para>
+
+      <para>最近の PC は、
+	高品質の画像を表示できるコンソールを搭載していますが、
+	ほとんどすべての Unix 系 OS
+	には未だにシリアルポートを使ってログインするための機能があり、
+	FreeBSD でもこの機能がサポートされています。
+	現在使用されていないシリアルポートに端末を接続することでシステムにログインし、
+	通常はコンソールや X ウィンドウシステムの <command>xterm</command>
+	のウィンドウ上で起動しているテキストベースのプログラムであれば何でも利用できます。</para>
+
+      <para>職場での利用ということで考えるならば、FreeBSD
+	が動作しているコンピュータに接続された何台ものシリアル端末を各社員の机に配置するというようなことが可能です。
+	また、家庭での利用方法としては、余っている古い
+	IBM PC や Macintosh を FreeBSD
+	が動いているパワフルなコンピュータの端末として利用できます。
+	普通ならシングルユーザのコンピュータを、
+	パワフルなマルチユーザのシステムに変えることができるのです。</para>
+
+      <para>FreeBSD では、以下に挙げる 3 種類の端末が利用できます。</para>
+
+      <itemizedlist>
+	<listitem>
+	  <para><link linkend="term-dumb">ダム (dumb) 端末</link></para>
+	</listitem>
+
+	<listitem>
+	  <para><link linkend="term-pcs">PCを利用した端末</link></para>
+	</listitem>
+
+	<listitem>
+	  <para><link linkend="term-x">X 端末</link></para>
+	</listitem>
+      </itemizedlist>
+
+      <para>以下は、それぞれについての解説です。</para>
+
+      <sect3 id="term-dumb">
+	<title>ダム端末</title>
+
+	<para>ダム端末は、
+	  シリアルライン経由でのコンピュータとの接続専用のハードウェアです。
+	  ダム端末は、テキストの送受信および表示ができる程度の計算能力しかもっていないので、
+	  <quote>dumb</quote> (間抜け) というように呼ばれています。
+	  この端末上でプログラムを実行することはできません。
+	  テキストエディタ、コンパイラ、E-mail、
+	  ゲームなどなどのプログラムを実行するのは、
+	  ダム端末を接続しているコンピュータの方です。</para>
+
+	<para>Digital Equipment 社の VT-100 や、Wyse 社の WY-75
+	  を初めとして、多くのメーカが何百種類ものダム端末を作っています。
+	  ほとんどどんな種類のダム端末でも
+	  FreeBSD に接続して使用できます。さらに、
+	  高性能の端末の中には画像を取り扱えるものもありますが、
+	  限られた数のソフトウェアパッケージしかこういった機能には対応していません。</para>
+
+	<para>ダム端末は、
+	  X ウィンドウシステムで提供されるようなグラフィックアプリケーションを必要としない職場で広く用いられています。</para>
+      </sect3>
+
+      <sect3 id="term-pcs">
+	<title>PC を端末として利用する</title>
+
+	<para><link linkend="term-dumb">ダム端末</link>
+	  がテキストの表示および送受信の機能をそなえただけのものならば、
+	  言うまでもなく、どんな PC もダム端末になり得ます。
+	  必要なものは適切なケーブルと、その PC
+	  の上で動作する<emphasis>端末エミュレーション</emphasis>
+	  を行うソフトウェアのみです。</para>
+
+	<para>このような環境は、家庭においてよく利用されます。
+	  たとえば、あなたの同居人が FreeBSD
+	  のコンソールを専有している時などに、
+	  あまりパワーのないコンピュータを FreeBSD
+	  システムにシリアル端末として接続し、
+	  その端末上でテキストだけを用いる作業をおこなうことができます。</para>
+      </sect3>
+
+      <sect3 id="term-x">
+	<title>X 端末</title>
+
+	<para>X 端末は、
+	  既存のものの中で最も洗練された種類の端末といえます。
+	  X 端末は、たいていの場合シリアルポートではなく、
+	  イーサネットのようなネットワークを利用した接続をおこないます。
+	  また、アプリケーションの利用においても、
+	  テキストベースのものだけでなく、
+	  X アプリケーションの利用が可能です。</para>
+
+	<para>ここでは、参考までに端末について紹介しただけで、
+	  X 端末の設定や利用についての解説は
+	  <emphasis>おこないません</emphasis>。</para>
+      </sect3>
+    </sect2>
+
     <sect2 id="term-config">
       <title>設定</title>
 
@@ -778,9 +974,9 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
 
 	<para>すべての設定が正しくおこなわれ、
 	  すべてのケーブルがただしく接続されていて、
-	  かつ端末の電源が入っていれば、
-	  端末にはログインプロンプトが表示されているはずです。これで、
-	  これらの端末からの最初のログインの準備が完了です!</para>
+	  かつ端末の電源が入っていれば、この時点で各端末で
+	  <command>getty</command> プロセスが動いていて、
+	  ログインプロンプトが表示されているはずです。</para>
       </sect3>
     </sect2>
 
@@ -895,64 +1091,11 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
     <para><emphasis>訳: &a.max;.<!-- <br> -->
 	6 September 1996.</emphasis></para>
 
-    <sect2>
-      <title>はじめに</title>
-      <sect3>
-	<title>用語解説</title>
-
-	<para>以下、簡単にいくつかの用語について解説しておきます。</para>
-
-	<variablelist>
-	  <varlistentry><term>bps</term>
-	    <listitem>
-	      <indexterm><primary>bits-per-second</primary></indexterm>
-	      <para>Bits per Second の略で、
-		データの転送速度を表す単位。</para>
-	    </listitem>
-	  </varlistentry>
+    <para>FreeBSD システムをダイアルインサービス用に設定することは、
+      端末の代わりにモデムを扱うこと以外は、
+      端末の接続によく似ています。</para>
 
-	  <varlistentry><term>DTE</term>
-	    <listitem>
-	      <indexterm><primary>DTE</primary></indexterm>
-	      <para>Data Terminal Equipment の略。
-		たとえばコンピュータ本体のこと。</para>
-	    </listitem>
-	  </varlistentry>
-
-	  <varlistentry><term>DCE</term>
-	    <listitem>
-	      <indexterm><primary>DCE</primary></indexterm>
-	      <para>Data Communications Equipment の略で、
-		具体的にはモデムのこと。</para>
-	    </listitem>
-	  </varlistentry>
-
-	  <varlistentry><term>RS-232</term>
-	    <listitem>
-	      <indexterm><primary>RS-232 ケーブル</primary></indexterm>
-	      <para>EIA (米電気産業協会)
-		のハードウェア間シリアル通信の標準規 格。</para>
-	    </listitem>
-	  </varlistentry>
-	</variablelist>
-
-	<para>これらの用語やデータ通信一般に関して、
-	  より詳しい情報が必要な場合は、<emphasis>The RS-232
-	    Bible</emphasis> という本 (誰か ISBN 分かる方いませんか?)
-	  が参考 になると思います。</para>
-
-	<para>通信においてのデータ転送速度に関して、
-	  このドキュメントでは <quote>ボーレー ト</quote> (baud rate)
-	  ではなく、<quote>bps</quote> (bits per second)
-	  をその単位として 使うことにします。これは、
-	  ボーというのは一定時間に生じる電気的状態の変
-	  化の数を表す単位にすぎず、<quote>bps</quote>
-	  という単位の方が実体に即しているか らです (少なくとも、
-	  こういう表現をしておけば、意地の悪い人に怒られる
-	  こともないのではないかと思います)。</para>
-      </sect3>
-
-      <sect3>
+    <sect2>
 	<title>外づけモデムと内蔵モデムについて</title>
 
 	<para>ダイアルアップのサービスに関していえば、
@@ -972,38 +1115,16 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
 	  しインディケータがついていても、おそらくコンピュータのケース
 	  カバーが 外されていなければその状態を確認するのは
 	  難しいでしょう。</para>
-      </sect3>
 
       <sect3>
 	<title>モデムとケーブル</title>
+	<indexterm><primary>modem</primary></indexterm>
 
-	<para>以下のことに関して、予め知っておく必要があります。</para>
-
-	<itemizedlist>
-	  <listitem>
-	    <para>コンピュータとモデムの間での通信が
-	      行えるようにするための接続方 法。
-	      (内蔵型の場合は接続の必要はありません)</para>
-	  </listitem>
-
-	  <listitem>
-	    <para>お使いのモデムのコマンドについての知識、
-	      あるいはコマンドの解説 の在処</para>
-	  </listitem>
-
-	  <listitem>
-	    <para>(通信ソフトを使っての)
-	      モデムの不揮発ラムに保存可能な設定の変更 方法</para>
-	  </listitem>
-	</itemizedlist>
-
-	<para>1番目のモデムの接続はたいてい簡単に行えるはずです。
-	  ほとんどのストレー ト シリアル ケーブルが使えるでしょう。
-	  使用すべきケーブルは、両端に適 切なコネクタ (DB-25 または
-	  DB-9 の雄または雌) のついた、DCE-DTE 間接 続用のもので、
-	  以下の信号線が接続されていなければなりません。</para>
+	<para>外付けモデムを使用しているなら、
+	  それにあったケーブルが必要です。
+	  通常の信号が全て接続されている限り、標準的な RS-232C
+	  ケーブルで十分でしょう。</para>
 
-  <indexterm><primary>モデムコマンド</primary></indexterm>
 	<itemizedlist>
 	  <listitem>
 	    <para>Transmitted Data (<acronym>SD</acronym>)</para>
@@ -1050,26 +1171,16 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
 	  セッションが残ってしまうといった問題が発生した場合などには、
 	  ケーブルに問題がある可能性もあります。</para>
 
-	<para>次に、お使いのモデムにもよりますが、
-	  もしモデムのコマンドをよく覚えてい ない場合は、
-	  モデムのマニュアルをすぐに参照できるようにしておいてくださ
-	  い。このドキュメントでは例として USR Sportstar の 14,400 bps
-	  の外づけ型 モデムのコマンドを示しておきます。
-	  他の種類のモデムをお使いの場合も、参
-	  考になるかもしれません。</para>
-
-	<para>最後に、FreeBSDで快適にモデムを使うためにも、
-	  モデムの設定方法を知って おく必要があります。FreeBSD も他の
-	  Unix 系 OS と同様、回線の接続およ
+	<para>FreeBSD も他の Unix 系 OS と同様、回線の接続およ
 	  び切断の検出や回線の切断および回線切断後の
 	  モデムの初期化にハードウェア  シグナルを利用します。FreeBSD
 	  は、モデムに対するコマンドの送信やモデ
 	  ムの状態の監視を行いません。パソコンで運用されている BBS
 	  への接続に慣 れている方にとっては、
 	  ちょっとめんどうかもしれませんね。</para>
-      </sect3>
+    </sect2>
 
-      <sect3>
+    <sect2>
 	<title>シリアル インタフェースについて</title>
 
 	<para>FreeBSD では、NS8250-、NS16450-、NS16550- および
@@ -1087,19 +1198,18 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
 	  ポートを利 用する場合や、負荷の高いシステムにおいては、
 	  16550A 系ディバイスを使う ことで、
 	  エラー発生率を低く押さえることができます。</para>
-      </sect3>
     </sect2>
 
     <sect2>
       <title>概要</title>
 
-      <para>FreeBSD は以下の手順でモデムからのログインを受付ます。
-	<command>init</command> から起 動された
-	<command>getty</command> のプロセスが、割り当てられたシリアル
-	ポート (この 例では <filename>/dev/ttyd0</filename>)
-	がオープンされるのを辛抱強く待ちます。<command>ps
-	  ax</command> コマンドを実行すると、
-	以下のような出力が得られるはずです。</para>
+      <indexterm><primary>getty</primary></indexterm>
+      <para>端末に関しては、
+	ダイアルイン接続に割り当てられたそれぞれのシリアルポートに対して、
+	<command>init</command> が <command>getty</command>
+	を起動します。たとえば、モデムが <filename>/dev/ttyd0</filename>
+	に割り当てられていたら、<command>ps ax</command>
+	コマンドを実行すると、以下のような出力が得られるはずです。</para>
 
       <screen> 4850 ??  I      0:00.09 /usr/libexec/getty V19200 ttyd0</screen>
 
@@ -1120,225 +1230,11 @@ ttyd5   "/usr/libexec/getty std.19200"	 
       <indexterm>
         <primary><command>/usr/bin/login</command></primary>
       </indexterm>
-      <para><command>getty</command> が正しい速度を検出すれば、
-	ユーザに対して <prompt>login:</prompt> プロン
-	プトが表示されるはずです。ユーザがログイン名を入力すると、
+      <para>ユーザがログイン名を入力すると、
 	<command>getty</command>  は
 	<filename>/usr/bin/login</filename> を起動して、
 	パスワードの入力を要求し、その
 	後ユーザのシェルを起動します。</para>
-
-      <para>それでは、続いて設定についての解説です。</para>
-    </sect2>
-
-    <sect2>
-      <title>kernel の設定</title>
-
-      <para>通常、FreeBSD の kernel は、MS-DOS の世界で
-	<devicename>COM1:</devicename>、<devicename>COM2:</devicename>
-	、<devicename>COM3:</devicename> および
-	<devicename>COM4:</devicename> と呼ばれる四つのシリアル ポートを
-	探す
-	ように設定されています。また、FreeBSD では、現在のところ
-	Boca の 1008
-	や 2016 のような、<quote>単純な</quote>マルチポートのシリアル
-	インタフェースもサポー
-	トしています (マルチポートのシリアル ボードに関しての
-	kernel の設定
-	については、&man.sio.4; のマニュアルを参照してください)。
-	デフォルト
-	の kernel は、COM ポートだけを探します。</para>
-
-      <para>搭載されているシリアル ポートのいずれかを、kernel
-	が認識しているかどう か確認したい場合は、kernel
-	起動時のメッセージを注意深く見ているか、あ るいは
-	<command>/sbin/dmesg</command> コマンドを使って、
-	ブート時の出力メッセージ を確認してください。特に、
-	<literal>sio</literal> で始まるメッセージをよく見てくださ い。
-	参考までに、以下のコマンドで <literal>sio</literal>
-	という文字列を含むメッセージ
-	だけを表示することができます。</para>
-
-      <screen>&prompt.root; <userinput>/sbin/dmesg | grep 'sio'</userinput></screen>
-
-      <para>たとえば、シリアル ポートを四つ持つシステムの場合は、
-	以下のようなシリ アル ポートに関するメッセージが kernel
-	によって表示されます。</para>
-
-      <screen>sio0 at 0x3f8-0x3ff irq 4 on isa
-sio0: type 16550A
-sio1 at 0x2f8-0x2ff irq 3 on isa
-sio1: type 16550A
-sio2 at 0x3e8-0x3ef irq 5 on isa
-sio2: type 16550A
-sio3 at 0x2e8-0x2ef irq 9 on isa
-sio3: type 16550A</screen>
-
-      <para>もし、kernel に正常に認識されないポートがある場合は、
-	おそらくカスタマ イズした kernel
-	を構築する必要があるでしょう。</para>
-
-      <para>kernel 構築と構築のための設定に関しては、BSD System
-	Manager's Manual の <quote>Building Berkeley Kernels with
-	Config (config コマンドによる BSD kernel の構築) </quote>
-	[ソース ファイルは <filename>/usr/src/share/doc/smm</filename>
-	にあります]と <quote>FreeBSD Configuration Options</quote> [
-	<filename>/sys/conf/options</filename> および <filename>
-	  /sys/<replaceable>arch</replaceable>/conf/options.<replaceable>arch
-	  </replaceable></filename> の  <emphasis>arch</emphasis>
-	の部分をたとえば <filename>i386</filename> としたファイル ]
-	を参照 してください。</para>
-
-      <para>kernel の設定と構築をするためには、kernel のソース
-	(FreeBSD 1.1 では <filename>srcdist/srcsys.??</filename>、
-	FreeBSD 1.1.5.1 では  <filename>srcdist/sys.??</filename>、
-	またFreeBSD 2.0 では総てのソース)を展開
-	する必要があります。</para>
-
-      <para>まだ自分のシステムの kernel 用のコンフィギュレーション
-	ファイルを作っ ていない場合は、
-	<filename>/sys/i386/conf</filename> に <command>cd</command>
-	して作成してくださ い。初めてコンフィギュレーション
-	ファイルを作る場合は、まず <filename>GENERICAH</filename>
-	(FreeBSD 1.x で BusTek の SCSI コントローラを使っている場合は
-	<filename>GENERICBT</filename>) というファイルを、
-	<filename>YOURSYS</filename> にコピーしてください。ここ で、
-	<filename>YOURSYS</filename> はあなたのシステム名で、
-	大文字である必要があります。このファイルを編集して、
-	ディバイスに関する記述を変更します。</para>
-
-      <programlisting>device		sio0	at isa? port "IO_COM1" tty irq 4 vector siointr
-device		sio1	at isa? port "IO_COM2" tty irq 3 vector siointr
-device		sio2	at isa? port "IO_COM3" tty irq 5 vector siointr
-device		sio3	at isa? port "IO_COM4" tty irq 9 vector siointr</programlisting>
-
-      <para>システムに搭載されていないディバイスに関する記述は、
-	コメントアウトまた
-	は削除してしまってかまいません。
-	Boca の BB2016 のようなマルチポートの
-	シリアル ボードをお持ちの場合は、&man.sio.4;
-	のマニュアルを見て、マ
-	ルチポートのボードのためのコンフィギュレーション
-	ファイルの記述のし方
-	に関して確認してください。ディバイスのフラグの
-	指定方法がバージョンによっ
-	て異なりますので、別のバージョンの FreeBSD
-	で利用していたコンフィギュ
-	レーション ファイルを流用する場合には
-	十分注意してください。</para>
-
-      <note>
-	<para>なお、<literal>port "IO_COM1"</literal>、
-	  <literal>IO_COM2</literal>、<literal>IO_COM3</literal>
-	  および  <literal>IO_COM4</literal> は、
-	  それぞれのポートの一般的なアドレスである
-	  <literal>0x3f8</literal>、<literal>0x2f8</literal>、
-	  <literal>0x3e8</literal> および <literal>0x2e8</literal>
-	  を表します。また、割り込 み番号 4、3、5 と 9 は、それぞれ
-	  <devicename>COM1:</devicename> から
-	  <devicename>COM4:</devicename> のポー トで一般的に使用される
-	  IRQ です。また、ISA バスのコンピュータの場合、
-	  一般的なシリアルポートは複数のポートで一つの IRQ
-	  を共有することが
-	  <emphasis>できません</emphasis>ので注意が必要です
-	  (マルチポートのシリアル ボードの 場合は、複数の 16550A
-	  ベースのポートで一つまたは二つの IRQ を共有する
-	  ための機構を備えています)。</para>
-      </note>
-
-      <para>コンフィギュレーション ファイルの編集が終わったら、
-	<quote>Building Berkeley Kernels with Config (config
-	コマンドによる BSD kernel の構築)</quote> および
-	  &man.config.8; のマニュアルにしたがって、
-	<command>config</command> コマンド を使って kernel
-	構築のためのディレクトリを作成した後、kernel の構築、
-	インストールおよびテストを行ってください。</para>
-    </sect2>
-
-    <sect2>
-      <title>ディバイス スペシャル ファイル</title>
-
-      <para>kernel に組み込まれているほとんどのディバイスは、
-	<filename>/dev</filename> ディレ クトリにある、
-	<quote>ディバイス スペシャル
-	ファイル</quote> を介してアクセスされ ます。
-	<devicename>sio</devicename> ディバイスの場合は、着信用の
-	<filename>/dev/ttyd<replaceable>?</replaceable></filename>
-	およ び、発信用の
-	<filename>/dev/cuaa<replaceable>?</replaceable></filename>
-	が利用されます。さらに、FreeBSD の 1.1.5 以降では、
-	初期化ディバイス
-	(<filename>/dev/ttyi<replaceable>?</replaceable></filename> と
-	<filename>/dev/cuai0<replaceable>?</replaceable></filename>)
-	およびロッキング ディバイス
-	(<filename>/dev/ttyld<replaceable>?</replaceable></filename>
-	と
-	<filename>/dev/cual0<replaceable>?</replaceable></filename>)
-	も合わせて利用されます。初期化ディバイスは、通信
-	ポートがオープンされる度に、
-	そのポートの初期設定を行うために使われます。たとえば、
-	<literal>CTS/RTS</literal>
-	によるフロー制御を行うモデムが接続されてい る場合の
-	<literal>crtscts</literal>
-	などのパラメータの初期化が行われます。ロッキング
-	ディバイスは、ポートの設定をロックし、
-	他のユーザやプログラムにこれらを
-	変更されることのないようにするために利用されます。
-	通信ポートの設定、初 期化とロックおよび設定の変更に関しては、
-	それぞれ &man.termios.4;、&man.sio.4; と &man.stty.1;
-	のマニュアルをご覧ください。</para>
-
-      <sect3>
-	<title>ディバイス スペシャル ファイルの作成</title>
-
-	<para>ディバイス スペシャル ファイルの管理は、ディレクトリ

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